ご支援事例

今まで私がご支援した企業・組織の一例を以下にご紹介します。経営者の方々が最初に持ち込まれたご相談内容から、問い・対話を重ねることで、最終的には”対処療法”ではなく、より”根本的な課題”が明確になり、そこからのご支援をするに至っています。

Case1:「後継者育成は、見えざる資産の共有と組織育成から」

業種:金属加工業/従業員数:85名/年商:60億円



◆経営者のお悩み

株式を承継したい。長男に事業承継するつもりではいるが、まだ早いと思っている。何をいつから始めたらよいのか?


支援の観点

後継者の育成は、仕事の習得とは異なり、時間を要する

後継者だけを育成しても幹部がついてこなければ経営は回らなくなる

 →後継者と幹部候補社員に、経営者目線を身につけてもらう半年間のプログラムを実施


実施した主なアクション

  • 視座を未来に置く癖づけ:テーマを決め、1年、3年、20年後を意識的に考えてもらい、疑似体験させる。
  • 過去から現在までの見えざる資産の共有:社長の大切にしてきたこと、歴史、危機的状況の乗り越え方などを言語化し、今会社が存在する理由や歴史に基づく強みを共有。
  • 自社の見えざる資産を、次世代に向け自分事として再定義していく。例えば、お客様志向などの「言葉の再定義」。共通言語ができ、考え方のベースがそろうため、意思決定がしやすくなる。 
  • 話し合った次世代の会社の在り方を図解し、社内で発表。また冊子としてまとめ、社員家族や取引先などに配布し、宣言する。

取り組みの結果

2年間は退職が増え、売り上げが落ちるも、大切にしていきたい考え方を丁寧に伝え、共感しあえる社員とともに回復。利益増、自社を正しく自信をもって伝えられるため、新規開拓も順調。


Case2:「営業力はセンス(感性)でなく、Scienceとして捉え、スキルと組織メソッドで磨く」

業種:情報サービス/従業員数:50名/年商:45億円

◆経営者のお悩み

ベテラン、トップセールスと若手の間に、営業成績の差が。社長が自身の真似をさせようとするものの効果が出ない。


支援の観点

センスで売る営業は再現性がなく、背中で見せても習得できない。営業を言語化しスキルを身につけていただく。


実施した主なアクション

  • 営業社員20名にヒアリング:ベテランやトップセールスは自身の影響力やあり方で売れている。若手・中堅は、商品サービスをひたすら説明し、単なる"物売り"になっていて、商談の主導権を握れていないことが分かった。
  • 営業商談を設定、事例の共有:営業同士で事例を共有しあい、ノウハウを補完しあう
  • 商品説明を、言いやすい言葉ではなく、相手が受け取りやすい言葉に変える。質問力を上げ、「相手のニーズがどこにあるのか?」を感じ取る設定力を上げる。
  • 相手のタイプと営業のタイプをアセスメントで割り出し、強いメンバーと同行営業する

取り組みの結果

  • 効率は一時的に落ちるが打率が上がる。営業マニュアルでなく、スタンスで営業でき、個の力を組織力に変換するチーム営業が可能に。
  • 半年で営業成績が前年同月比22%増。スキルとして営業力を身につけるため、一般的な営業マンでも半年後、1年後に独り立ちできるように。
  • フィードバックの仕組み化により営業が楽しくなり、仲間で成功を喜べる社風になったことも副次的成果。

Case3:「社長の一念発起から始まった、組織の行動変容とチーム形成」

業種:内需生産財製造業/従業員数:120名/年商:78億円


経営者のお悩み

業界が斜陽期にさしかかったタイミングで、現在の社長に世代交代、経営は危機的状況に。社長が目指したい方向にひっぱろうと社員に指示を出すものの、ついてこない。「社員が動かない。給料を上げれば動くのか?」


支援の観点

経営危機を感じているのは社長のみ。社内はことなかれ主義が蔓延し、対立も見受けられる状態。

ニンジンをぶらさげてもだめ。社員が足並みをそろえ、自ら考え動ける体質にしていくことが重要。


実施した主なアクション

  • 製造工場長、品質管理、商品開発の3名に、現状の問題をヒアリングし、定期支援を実施。
  • 自分がどういったタイプなのか、アセスメントツールを用いた自己理解を行っていただく。接点が少なく意識差のある上記3名のタイプを照らし合わせ、自分と異なる人間の存在を認め、対立でなく多様性(違い)の概念を理解してもらう。他者理解を通して、部門を越えて相互理解できるような関係性のベースを整えた。
  • 現場で起こる事象から深堀して考える習慣を付け、同社の問題を再定義していくと、根源と思われる”ある問題”が顕在化。それは社長自身も納得するポイントだった。
  • 問題点が明確になったあとも、解決に向けて動き出すための方向性を合わせるのに、4か月を要した。社員の反発や混乱を解決しながら、順次足並みをそろえていった。

取り組みの結果

問題に取り組める新体制を構築。15か月の取り組みで、4期連続で下がり続けた売上高が下げ止まり、3年前水準に急回復。従業員の中には、会社をみんなで立て直そうといういい雰囲気が醸成されている。


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